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ちょっと言い訳なぞ・・・

1063758-2.jpg
      ↑     ↑     ↑
ネズミって横に飛べるんだ! 知らなかった!ww ・・・な拾い物の写真。




更新の間隔が短い気がしつつ、長丁場になりそうなんで仕上がったらサクサク行くよーに、と自分で自分を追い込んでみたりして。
だって連載開始からもう10ヶ月経つのに、起承転結で言ったら漸く「承」の部分なんですよね。
群像劇にしたことを軽く後悔・・・(笑)


えーと、こっから先は創作に関するひとり言というか言い訳になります。
そういうのがお嫌いな方はスルーなさったほうがいいかも。

第17話を更新した時に本宅のあとがきページ(リンク先:MEMO-作品あとがき)に書いたことなので重複しますが、ここでももう一度、言い訳させてくださいまし。

ミシェルとミゲルの名前はご存知の通り旧約聖書に登場する「大天使・ミカエル」に由来したものです。
(ミシェルはフランス語名、ミゲルはスペイン語名。 マイコーことwマイケルは英語名)
そして「堕天使」はあくまでも「ルシファー」であって、「ミカエル」を「堕天使」と据えるのは間違い、と仰る方もいらっしゃるかもしれません。
これは、フィクションの世界に於いては「ルシファーとミカエルは双子」或いは「兄弟」と解釈することがあるため、そこから着想を得たものです。
対極にある筈の「天使」と「堕天使」。でも「二面性」と捉えることも出来るよね?と思ったのと、まだまだ同性愛者を忌み嫌い、差別する人々は多く、彼らからしたら同性愛者は「悪魔」の化身みたいな存在かもしれないな、と。
(実際、昔何かの映画でゲイの男が「恥知らず!地獄に落ちるがいい!」的なことを言われるシーンを見た覚えが)

そういった差別を受けた「大天使ミカエル」が、自嘲を込めて自らを「堕天使」と名乗っている、そういった意味合いを込めて文章にしたものなんです。
まあ、所詮は素人の書いたフィクションですから、そこらへんは生ぬるく見逃してやって下さいまし。


それから、今回ちょろっと人種差別的なことに触れてますが、それに関して色々思うことはあります。
でも差別を受けている本人ではない、当事者以外の私が公の場で意見を述べるべきではない、と常々思っているので、そこを描くことは本当は避けたい。
このお話を読んだ方に「お前に差別の何が解る」と言われれば「はいそーですね」としか言えないので。

でも一切触れないのも逆に不自然なんですよね。同じ日本人同士だっていっぱい差別はあるわけだし、私にも不当に嫌な思いをさせられた記憶はあるわけで。
国を問わず、会社でも近所でも、どこのコミュニティにでも潜んでいる永遠のテーマなのかもしれません。
ちょっと重い話になっちゃいましたが。まあこれについてはスルー推奨でw


・・・ナンダ、今日。NORAさん凄く真面目というか、語るねw
恥ずかしいので脱兎。 いや、脱猫。


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Category: Notes

Magnet 23.「 The intruder - 侵入者 - 」



* 最後に男性同士の描写があります。R18というわけでもありませんが、念のため。苦手な方、ご注意を。



Magnet 23.
「 The intruder - 侵入者 - 」


stock-magnet23.jpg



金曜日  

アッパー・イースト  1:15 a.m. 

こそり、と扉を開くと、かちゃかちゃ、とキーボードを叩く音だけが薄暗い部屋に響いている。
時折考え込みながらキャスター付きの椅子を左右に振るように身体を動かし、またキーボードに向うことを繰り返す夫。
その後ろ姿を暫くの間、彼女は後ろから眺めていた。
やがて気配を感じたのか、フィリップがドアの方を振り返った。

「・・・眠れないのかい?」

そう優しく声をかける彼に曖昧な笑みを返し、彼女は彼の元に歩み寄ると、ことり、と音を立ててそれを机上に置いた。

「!」
「・・・クローゼットに落ちていたそうよ」
「・・・Oh ・・・」
「隅の方まで転がっていたみたいで、ナディアもずっと気付かなかったんですって」
「・・・」

言いながら夫の膝の上にまたがる。
ありがとう、と言いかけた夫の唇を指先で塞ぎ、彼女は静かな視線を夫に向けた。

「・・・ママがあなたに贈ったものだし、失くした、と正直に言い出せなかったのは解ってるつもりよ。 でも・・・」
「・・・」
「・・・隠し事はやめて、フィル。あなたのことだからきっと、このカフリンクを失くしたことも気に病んでいたでしょうけど、どんなに小さなことでもいいの、あなたの心の負担になっていることがあるのなら私に話して欲しい。
一緒にそれを解決していきたいの。だって私たち、夫婦でしょう?」
「・・・・・・キャス・・・」

夫の低い声に、彼女は覚悟を決めたように唇をぎゅっと固く結んだ。

「・・・・実は・・・・」




宙を舞うカフリンクが窓ガラスに当たり、跳ね返って床に落ちる。
そのカツンという乾いた響きは、彼女の心に入ったひび割れの音かもしれなかった。
今しがた「一緒に解決していきたい」と告げたばかりなのに、あろうことかその思いをやすやすと裏切ろうとするなんて。
目の前の夫に一瞬、激しい憎しみが湧いた。

「・・・本当にごめん・・・この夏は無理でも、必ず何とか時間を作るから・・・」
「・・・いいの。バカンスなんて・・・最初から無理だと思っていたもの」
「キャス――」
「――話してくれてありがとう」

こわばった笑顔で夫の膝を下り、彼女は静かに書斎を後にした。
そしてひとり寝室へ戻ると、再びベッドに横たわり、すぐに瞳をぎゅっと閉じた。
さっさと眠りの中へ逃げ込んでしまいたかったのだ。何もかも忘れて。
そのうちに、つう、と流れ出たものが右の耳の穴をくすぐるのに気付き、彼女はそれを枕に吸わせるために横を向いた。


あくまでもしらを切るつもりなのね。
それが彼女や家庭を守るための彼の選択だと解っている。彼女だって今更詮索するつもりはなかったのだ。
彼が夫婦関係をやり直そうとしてくれている、もう一度私のほうを向いてくれている、それだけで彼を許す気になっていた。
きっと女とは切れている。ここのところの彼の態度が、そう信じさせてくれたからだ。
それなのに、女のほうがあんなふうに挑発してくるなんて考えもつかなかった。一体どういうつもりなのか。
心の中に黒い染みを拡げさせる不気味な影。ぞっとした寒気が彼女を襲った。
何より、自分のことを知っている人間だ、という事実に吐き気がする。知らない相手なら良かった。


彼女はベッドから起き上がり、不気味な感情が黒い影となって渦巻いている寝室を抜け出した。
そうして足早にキッチンへと向い、パントリーの扉を勢いよく開けた。
瓶類を漁り、透明な液体をグラスに少量流し込み、ぐい、と勢い良くそれをあおる。
勢い余って口元から零れ落ちる滴。それを手の甲で拭い、再び透明な液体を勢い良く喉に流し込んでは、げほげほ、とむせることを繰り返した。
冷たい床にぺたりと座り込むと、その感触と視界に入るものたちが、あの夜のことを呼び覚ます。
彼女はぼんやりと床を見つめ、少し前にここで酔い潰れた夜のあれこれを思い出すことに時間を費やし始めた。










グリニッジ・ヴィレッジ  11:30 p.m. 

その夜何度目かのエレヴェイターの音に顔を上げ、そちらの方へと視線を送る。
またしても彼が待ち望む男ではなかった。
エレヴェイターから降りて来た白人の女が、廊下の壁にもたれて座る彼に一瞬ぎょっとした顔をして、彼の前を足早に通り過ぎる。
二つ隣の自分の部屋へそそくさと逃げ込む彼女を、ぼんやりと視界の端っこで見送った。
腕を上げて時計を確認する。もうじき日付が変わろうとしていた。


あの夜から三週間ほどが過ぎた。
ずっと心の中を蝕んでいる男にもう一度、会いたい。
ただそれだけを渇望して手をこまねいている間に、気付けば数週間もの月日が過ぎ去っている。
格好悪くてラムカには言えなかったけれど、何度も仕事の帰りに遠回りをしてはこのアパートメントの前に立ち、
上を見上げ、けれどブザーを押す勇気も出ず、逃げ帰るようにして踵を返すことを繰り返してきた。
ラムカのお節介のおかげでまたここにやって来たはいいけれど、どうせ今夜も何も出来ずに逃げ帰るんだろう。
そう不甲斐ない自分を嘲りながら6階の窓を見上げた時、他の住人と思しき男がエントランスのロックを外そうとするのに遭遇した。
気が付けば男の後を追って身体を滑り込ませ、住人の振りをして建物の中に入り込んでいた。

一夜限りの戯れと割り切ることが出来ない。あんなふうに初めからひとつに溶け合えた相手は初めてだった。
男を思い出す度に胸は疼き、温もりを記憶したままの身体は男を求めて起き上がる。
どれほど男を想いながら自分を慰めたことだろう。
もはやキースのことなど、思い出すことすらもない。あんなにも、彼をまだ愛している、そう思っていたのに。
もう顔もうっすらとしか思い出せない。肌の記憶も今ではすっかり消えてしまった。
今のミシェルには男のことしかない。彼に会いたい。彼を感じたい。
時が過ぎるのにつれ、その思いは狂おしいほどに募るばかりだった。


何度も溜め息を吐きながら、そのまま暫くの間座り込んで男を待っていると、エレヴェイターが到着する音が聞こえたので反射的にそちらに目を向けた。

「んん・・・ふふっ」

――!

キスを交わしながらこちらへ向ってくる男女に愕然とした。
ミシェルの存在に気付いた男が歩みを止め、男の視線を辿った女がミシェルを見てぷっと噴き出した。

「やだ、だあれ?」

男は平然とした顔で、座り込んだまま動けずにいるミシェルの前を通り過ぎ、部屋の鍵を開けた。

「可愛い坊やね。一緒に楽しまない?」
「Don't touch me ! 」

けらけらと笑って彼の頬を撫でる女の手を払い除ける。
Oops ! そう肩をすくめた女がドアの中へ逃げ込み、男がミシェルを振り返る。

「・・・帰るんだ」
「・・・Non (嫌だ)」
「じゃあ耳を塞いでおけ」
「!」

そう言い放ち、男は無情にもドアの向こうへと消えた。




拷問のような時間が暫く続いた。ドアの隙間から微かに漏れ聞こえてくる、甘く腐ったような、女の媚びた声。
反吐が出そうだ。
座り込んだまま髪を掻き毟り、もたれていた壁を拳で殴り、後頭部をがんがんとそこに打ち付ける。
そうやって耳障りな女の声を掻き消した。
iPodか何か持ってくればよかった。あの頃みたいに。

彼は子供の頃、今と同じように外の廊下に座り、ヘッドフォンを耳に当ててポータブルのCDプレイヤーで
音楽を聴きながら、母親の情事が終わるのを待っていた。
母に強要されたわけでは決してなかった。自らそう望んで廊下で時を過ごしていたのだ。
ドアの向こうで繰り広げられる情事を連想しないよう、騒がしいロックばかりを聴きながら。
あの頃と同じこの状況に自分を嘲り笑いたくなる。
何故立ち去ることを選ばないのだろう。彼の言うとおりだ。帰ったほうがよかったに決まってる。
よりによって女とベッドを共にしている男を、どうして―――彼は壁を殴り続けていた。
その手が大事な商売道具であることも忘れて。


暫くの間そうやって自棄になっていると、突然さっきの二つ隣の部屋の女がこそっとドアを開いた。
ミシェルの様子を怪訝な顔で窺っている。彼が壁を叩く音が彼女の部屋まで響いたのだろう。
知ったことか。彼は女から目を背け、壁にもたれるように上を向いた。

「止めなさいよ」
「・・・・」
「あんた通報されるよ」
「・・・・」
「聞いてんの?」
「・・・ほっといてくれ」
「God ! 」

女は廊下に出てミシェルの上着の襟を掴むと、彼を引っ張り上げて自室のドアに引き込んだ。

「何するんだよ!」
「あんたこそ!いい?よく聞いて。ここにはね、困った人種差別主義者が住んでるの。クレイジーな奴よ。
あんたみたいな肌の色の人間がちょっとでも騒ぎ起こしたら "こと " なんだよ。
ここには色んな肌の色の人間が住んでて、みんな色んな事情を抱えてる。だからあたしたちも面倒はごめんなわけ。解った?」
「何もしてないよ!」
「解ってないのね。住民でもない黒人の男が廊下に座り込んで壁を殴ってる。それだけで奴は警察にあんたを
突き出すよ。不法侵入者だってね。実際そうなんでしょ?」
「・・・」
「もしそうなったら6-Cの彼にも迷惑が掛かるわけ。あたしにもね。解ったら大人しく帰るのね」

そう言って女がドアを開けた。

「・・・」
「さあ」

立ち尽くしたままでいるミシェルに業を煮やし、出て行って、と女が仕草で彼を促した時、ミゲルの部屋のドアが開いた。
女に背中を押されて廊下に放り出され、ミゲルの部屋から出てきた女と鉢合わせになる。

「やだ、まだいたの?」

彼の視線に怖気づいたのだろうか。再びOops ! と肩をすくめ、女は彼の前から逃げるように去った。
少し行ったところで女が興味深そうに、ちら、と彼のほうを振り返る。
男の部屋の前で項垂れたままの彼を見て、はあ、と短く息を吐くと、女は戻ってきて男の部屋のブザーを押した。

「開けて。忘れ物しちゃった」

がちゃ、とロックが解かれた音が響き、女がミシェルを振り返る。

「ほら」
「・・・?」
「入らないの?」

早くしなさいよ、とでも言いたげな顔を彼に向け、女は戸惑う彼の背中をドアの中に押し込んで、
がちゃん、とそれを閉めた。
ドアの向こうで女の足音が小さくなっていくのを背中で聞き、彼はゆっくりと男の部屋の中へ足を進めた。
男の纏う香りがそこかしこに漂い、その記憶に彼の胸が再びキリキリと音を立てる。
部屋には男がシャワーを浴びている音だけが響き渡っていた。
視線の先では、もみくちゃになったシーツが彼の胸を抉る。

馬鹿なことをしている。つくづく自分でもそう思う。
彼を女と共有するなんてまっぴらだ。頭ではそう解っているのに、足が言うことを聞いてくれない。
シーツを恨めしげに睨み付け、劣情が大きな欲望に変わっていくのを感じながら、ただ呆然と立ち尽くした。


やがてシャワーの水音が止み、バスタオルで髪を拭きながら、男がミシェルの前に姿を現した。

「!」

彼がそこに立っていることなど予測もしていなかったのだろう。驚きを隠し切れずにミゲルが瞳を見開いた。

「・・・さっきの・・・彼女が入れてくれた」
「・・・・・」

困った奴だ、というふうにミゲルが息を吐く。ミシェルは所在無さげに立ち尽くしていたが、とり合えず手持ち無沙汰な両手を上着のポケットに突っ込んで肩をすくめてみせた。
帰れ。そう言われると思ったのに。
男がもみくちゃになったシーツを引き剥がして床に投げ捨てる様子を、彼はぼんやりと眺めていた。
女との短い情事を終え、男は何事もなかったような顔で日常の続きを始めようとしている。
シーツを引き剥がしたのも、ミシェルのためという訳では決してないだろう。
たとえここに今、彼が居なかったとしても、同じようにシーツを引き剥がして床に投げ捨てたに違いない。
その様子は彼を少し気落ちさせたが、彼は上着を脱いで、当たり前のようにミゲルのベッド・メイクの手助けを始めた。

「・・・・・」

馴れた手付きでベッド・メイクをするミシェルに、戸惑いを含んだ男の視線が貼り付く。
僕は一体何をしているんだろう。自分自身にそう呆れながらも、次第に彼はこの状況を楽しみ始めてもいた。
ミゲルが女と寝たシーツを引っ剥がす様子はまるで、何かの犯罪の証拠隠滅を謀ろうとしているようにも見えたから。
それならば、僕はその共犯者、ということになる。
その思いつきは彼を高揚させた。さっきまでの、自棄を起こしていた自分が嘘みたいに。
君となら罪を犯すことも厭わない。だって僕たちは堕天使なのだから。

「出来た!」

ベッド・メイクを終えたばかりの、ぴん、と張ったシーツに、ミシェルが子供みたいな笑顔でごろん、と無邪気に寝転がる。
証拠隠滅、終了。女の匂いも気配も、これで全て綺麗に消え去った。
彼は満足げにシーツの上をそうっと撫で、ベッドサイドに立ち尽くしたままのミゲルを見上げた。

「・・・ねえ・・・」
「・・・・・」
「まさか・・・女とも寝るなんて、思ってもみなかった・・・」

下から見上げるミゲルの身体。あんなに長いこと渇望していたものが、今は彼の手の届く場所にある。
証拠隠滅は終わっても、最後の仕上げがまだ残ってる。
君の身体から記憶を消してあげる。さっきの女の、いや、僕以外の総ての肌の記憶を。
彼は身体を起こし、欲望を灯した琥珀色の瞳をミゲルへと向けた。




* Read more 以降、男性同士の描写になります。そうたいしたもんじゃないですが、平気な方だけこの先どうぞ。
         ↓       ↓       ↓

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まだ5月なのに


CIMG06552.jpg
     ↑    
中部国際空港内のスタバはご覧のように和風な佇まい。忍者みたいな格好で接客してくれればいいのにと毎回思うw
 


当地(九州)はもう梅雨入りって・・・一体どうなっとんじゃ。
折角の良い季節をちっとも堪能できないまま、じめじめの季節に突入です。げーん。

「Magnet 22」も無事更新です。タイトルはまあ、またパク・・・ああいや、お遊びってことで。
「 Fighting on friday」が何で「決戦は金曜日」なんじゃ、とお思いかもしれません。
毎度のことながら副題(日本語タイトル)はきっちりとした訳ではなく、何となくのニュアンスなんで
ツッコミはご容赦くださいまし。
英語部分も実は超テケトーだったり。いいのかこれで。(Help me ! ブッチちゃん♪)

しかも今回、ほっとんど台詞ばっかりです。
これ小説やない。「渡るNYの世間はゲイばかり」いう脚本や、ノラ子。


しかし何だか妙な展開になってきちゃいました(泣)  またキャラの大暴走だな、こりゃ。



ここでドリカムの「決戦は金曜日」をペタリするべきなんでしょうが、本宅でそれやっちゃったんで、そうだな、
雨、と言えば、19話のタイトル「 Raindrops keep fallin' on their head -雨にぬれても(明日に向って行け)」
の元ネタにもなった「雨にぬれても」(映画『明日に向って撃て!』主題歌)、これにしとこ。






いい歌詞だなあ。

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Category: Notes

Magnet 22.「 Fighting on friday - 決戦は金曜日 - 」

Magnet 22. 
「 Fighting on friday - 決戦は金曜日 - 」

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ミッドタウン  9:20 p.m. 

いよいよラッセルとのブラインド・デートを迎えた金曜日。
ラムカとミシェルのふたりはベティを送り出した後、バーに移動して共にグラスを傾けていた。
ふたりで酒を飲むのは久し振りのことだ。

「しかし初デート前にあんなにいっぱい、よく食べれるよね」
「彼女、肉食だからね」
「ぷぷっ!」

居なくなったベティを餌にしてげらげら笑い合う。
彼女たちの前で彼はいつもと変わらない様子を醸し出しているつもりだろうけれど、ラムカは彼が食事中から
時折ぼんやりしたり、反対に落ち着かない様子できょろきょろするのに目敏く気付いていた。
まるで誰かを探しているようだったからだ。

「誰を探してるの?」
「うん?」
「さっきからずっときょろきょろしてる」
「そう?」

ラムカは、ふっと笑ってグラスを唇に運ぶミシェルの横顔をちら、と盗み見た。

「・・・ここのところ、何だか妙に色っぽいのよね」
「誰が」
「私の大天使様が」
「Me ? 」

ミシェルが肩をすくめて怪訝な顔をラムカに向けた。

「絶対秘密の恋してる。いい加減白状しなさい」
「何でそうなるのさ。馬鹿馬鹿しい」

ミシェルがこんなつれない返事を返す時は、篭絡するのは難しい。しょうがない。また今度にするか。

「君こそ彼とどうなってるの」
「彼?」
「パレスの料理人」
「何でそうなるわけ?」
「Come On , ラムカ。いい加減素直になろうよ」

ミシェルの反撃に遭い、ラムカはAh ! と息を吐いて天井を見上げた。

「ベティもあんたもしつこいなあ。彼とは何でもないったら」
「ねえ、ラムカ。ハンサムな男に惹かれたからって、後ろめたく感じる必要はないんだよ?」
「どういう意味?」
「君のその 『 ハンサム・アレルギー 』 にも困ったもんだ、って言ってるのさ」
「 『 ハンサム・アレルギー 』 ?」
「そう。自覚、あるでしょ?」

ミシェルが眉をくい、と上げた。

「いくら人格が素晴らしくても、その彼がハンサムな男だと、それだけで彼の全てを否定しようとする」
「!」
「もしもショーンがあそこまでグッド・ルッキング・ガイじゃなかったら、きっととっくに恋に落ちてる。違う?」

むむむ・・・!
ミシェルにそう言われて答えに詰まり、ラムかはぷう、と頬を膨らませた。

「何か今日、意地悪じゃない?」
「そんなことないでしょ」
「そうかなあ」
「ねえ、彼に惹かれてるっていい加減認めたらどうなの」
「Ok , あんたが秘密の恋を白状したらね」
「Yeah ! バーで出会った男と寝たよ。これでいい?」
「ぶっ!」

突然のミシェルのやけっぱちな告白に、ラムカはカクテルを噴き出しそうになった。

「ちょっと!びっくりするじゃない!」

してやったり、という顔でミシェルがにやり、と笑う。

「白状したよ?今度は君が白状する番」
「God ! やっぱり今日のあんた、すんごく意地悪」
「・・・・」
「?」

冗談でそう言ったのに、ミシェルが思いつめたような顔で俯いてしまい、彼女は慌てて彼の顔を覗き込んだ。

「ねえ、今日本当におかしいよ?ミシェル。一体どうしたの?」
「・・・確かに意地悪だよね。 ・・・ごめん・・・」
「?」
「・・・・会いたい人がいるんだ」
「!」
「彼のことばかり考えてる。会いたくて会いたくて・・・でも勇気が出なくて・・・それでここのとこ、苛々してた」
「さっき言ってた人?」
「・・・うん・・・」
「Oh , honey ・・・」

ラムカがミシェルの肩を引き寄せて、そっと腕をさする。

「そんなに辛い思いしてたのね・・・茶化してごめん」
「・・・ううん」
「私に出来ることは?」
「・・・あー・・・・まだベティには黙っててくれる?」
「どうして?」
「彼女も今それどころじゃないし・・・ラッセルと上手くいって欲しいから、今は心配かけたくない」
「解った」
「君にも言うつもりなかったんだよ?それなのに・・・」

してやられたよ――そう言ってミシェルが肩をすくめて苦笑した。

「それはね、意地悪言うからよ」
「ふふ」

ばつが悪そうに笑うミシェルの顔を見て、彼女は大好きな彼のえくぼにキスをした。

「Umm・・・どうしよう。可愛くて食べちゃいたい、このえくぼ」
「はー・・・いつもそうやって君たちは僕をおもちゃにする」
「ふふ」

彼の頬についたグロスを拭い、ラムカが何かを思いついたように瞳を見開いた。

「一緒に行ってあげる」
「Wha ? 」
「その彼のところ。行こう!」
「Oh ! Wait wait wait !」

立ち上がってミシェルの腕を引っ張ろうとするラムカを引き止め、彼は彼女をカウンター・スツールにもう一度座らせた。

「いきなり何言い出すかと思ったら・・・」
「ひとりで会いに行く勇気が出ないんでしょ?だから一緒に行こうって言ってるの」
「・・・・」
「ねえミシェル、こんなところで私相手にうだうだしてたって彼には会えないよ?」
「そりゃそうだけど・・・」
「あんたはね、ごちゃごちゃと色々なことを考えすぎなの!会いたいなら会いに行く!ほら!」
「金曜の夜だし、きっと居ないよ」
「いいから!」

ラムカに手を引っ張られ、彼は渋々カウンター・スツールから立ち上がった。



キャブを拾い、行く先を告げて、流れていく街の景色をラムカと共に見送る。
まるで冒険にでも向うみたいに瞳を輝かせる彼女に苦笑した。
一見するとベティのほうが強引そうだけれど、案外ベティも彼と同じように弱腰な部分を持っている。
何か問題が起きた時、芯が強いな、と思えるのは、実はラムカのほうなのだ。
時折こうやって弱気な彼の尻を引っ叩いては勇気をくれる。
全く・・・自分のこととなると、ちっとも素直じゃないくせに。

「―――彼女をブルックリンのプロスペクト・ハイツまでお願い」
「!?」
「じゃあ、ラムカ」
「ちょ、ま、ミシェル!」

彼女の膝の上に多めに金を置いて、ついでにキャブの中に彼女も置いて、彼はひとり、グリニッジ・ヴィレッジでキャブを降りた。









同じくミッドタウン  9:30 p.m. 

ミシェルが指定したバーで彼女は今、少しだけ緊張しながらカクテルを飲んでいる。
彼の助言に従い、露出の多い服はやめて、一番上のボタンまできっちりと閉めた白いジョーゼットのブラウスに、
去年ミュウミュウで買った赤いハイウエストのタイト・スカートを合わせた。
その代わり、清楚な白いブラウスからは黒いブラが透けて見える、というわけだ。
ドラマの中ではキャリー・ブラッドショー*がピンクのブラを透けさせていたけれど、ここはオーソドックスに黒にしておいた。
グラスの中にはマラスキーノ・チェリー*ではなく、生のチェリーが沈められている。
チェリーが大好きな彼女はそれを摘み上げ、ぱくり、と口に含んだ。

「ベティ?」
「Oh ! 」

突然の声に驚いて種を飲み込んでしまい、彼女はげほげほと咳込みながら席を立った。

「げほっ・・・え、Excuse me ! 」
「No , no , no , 僕こそ驚かせてごめん。大丈夫?」
「げほ・・・Yeah , 大丈夫。 Oh , ベティよ。よろしく」
「ラッセル・チェンバース。よろしく」


ポール・スミスを肌の一部のように軽々と着こなす目の前のラッセルは、ミシェルの言うとおりの、いや、それ以上の男だった。
初対面だということを忘れてしまいそうなほどに弾む会話に、ベティの笑顔は引っ込む暇もない。
なるほど、とびきりの男だ、とミシェルが薦めるだけのことはある。
こんな良い男がどうしてシングル?――そんな疑問が突如湧いた。これはマンハッタンの奇跡じゃないの?
彼女は舞い上がっていた気持ちが急速に不安げなものへと変わるのを感じていた。
だって有り得ない!こんな良い男が恋人もなしだなんて!

「――納得いかない」

突然ベティがそんなことを言い出したので、ラッセルが怪訝な顔をして彼女の瞳を覗き込んだ。

「? 何が?」
「どうしてあなたみたいな素敵な人がブラインド・デートなんか?本当にシングルなら女が放っておかない筈よ?」
「それ、そっくりそのまま君に返したいよ。君こそ何故?」
「・・・ミシェルに聞いたでしょ?」
「いや、彼は何も言わないよ」

そう言えば彼のこともミシェルは特に何も言っていなかった。
先入観を持たずに会ったほうがいいだろ?と言って。

「そう言えば・・・」
「?」
「ミシェルとは?長いの?」
「Yeah , えーと、あれは11か12の頃かな。父の仕事の関係でボストンから転校してきたんだけど、彼と席が
隣になってね。以来、付き合いがずっと続いてる」
「本当?」
「ここだけの話・・・」
「?」
「僕のファースト・キスの相手は彼なんだよ」
「What !? 」

ラッセルが笑いながらグラスの酒を口に運ぶ。

「あ、でも僕は正真正銘のストレートだから安心して」
「ふふ、あたしも女の子同士でキスしたことあるから解るわ。興味本位と言うか・・・」
「興味本位も何も、僕の場合、彼に奪われたんだけどね」
「What !? 」
「僕のことが好きだったらしいよ」
「!」

ぶはっとベティが大声で噴き出すのにつられ、彼も笑いながらその時のいきさつを彼女に話した。
何てこと!ミシェルったら子供の頃好きだった男をあたしに紹介したってわけ?
酒の所為かどうか判らないけれど、彼女は笑いが止まらなくなってしまった。

「あたしも何度か彼とはキスしたわよ。・・・と言っても、しつこい男を追い払うのに恋人の振りして貰ったとか、
挨拶代わりとか、不意打ちの悪戯とか、まあ色々・・・」
「ははは・・・さてはおもちゃにされてるんだな、あいつ」
「まあね。彼は女嫌いだけど、あたしたち女にとって彼は天使だから。ほら、小さい子とか可愛くて堪らないものには
キスしたくなるでしょ? そんなふうにとにかく彼が愛しくて・・・つい、ね」

愛しくて・・・自分のその言葉に、突然ふっと蘇る夢。


" 愛してる、ベティ "
" あたしも愛してる・・・ミシェル・・・ "


おとといの朝に見た夢の中で交わした愛の言葉。 それが蘇った瞬間、彼女の胸がキリリ、と音を立てて軋んだ。

「・・・? どうかしたかい?」
「!」

ラッセルの声にはっと我に返り、彼女は慌てたように顔の上に笑みを貼り付けた。

「でもあなた、優しいのね。普通、ストレートの男がゲイにキスされたら凄く嫌がるでしょ?
それなのに彼との友情を守ったのね」
「あー・・・もちろん戸惑ったよ。まだ子供だったし。でも・・・」
「?」
「彼を失うほうが嫌だったから。彼のことは親友として大好きだったしさ」
「・・・いい話ね」
「でもいまだにくだらない幼稚な軽口ばっかり叩き合ってるよ」
「ふふ、ミシェルもあなたの前じゃ男の子のままでいられるんだ」
「そうかもしれない。幼馴染なんて大概そんなものかもしれないけど」
「Yeah・・・」

彼女の知らない彼を知っているラッセルに対し、何故か強烈な羨望が湧き上がるのを感じる。
いつの間にか彼女は、ミシェルを独り占めしてる気になっていたけれど、彼女の知っている部分なんて、
彼のほんの一部にしか過ぎないのだ。
気が付けば互いのことからミシェルのことばかりが話題に上っている。
彼女は心の中で舌打ちしたい気持ちでいっぱいだ。
どうして最高の男と過ごしているのに、心に浮かぶのはミシェルのことばかりなわけ? 
ミシェルのことを話題にして、そこに逃げようとしてる?
――もしかしてラッセルもそうなの?
そう思いついた瞬間、彼女は心の中で盛大な溜め息を吐いた。





―――「送ってくれてありがとう。今夜はとっても楽しかった」

ミシェルのアパートメントのドアの前で、彼らは今、「初デートのお約束」の時間を迎えていた。
初デートの成功と今後の行く末を決める大切な時間だ。互いに男と女として相手を気に入れば、その証として
おやすみのキスをして(場合によってはそのままベッドインまで行くだろう)、何となく駄目だと思ったら、
友人としてのキスを頬に重ねてそれで終わる。
その場合、「電話するよ」と言って帰った男が本当に電話をかけてくることは殆どないが。
少し緊張した面持ちでベティがラッセルの顔を見上げる。
彼の手のひらが彼女の頬を包み、唇が近付いてきてそっと重なった。

「――待って!」
「!」

突然キスの途中で彼の唇を指先で塞ぎ、ベティが申し訳なさそうな顔で首をゆっくりと横に振った。
どうしてだい?そんな顔で見下ろす彼に、彼女は意を決したような顔を向けた。

「・・・正直に言うわね。このままベッドまで行きたいくらい、あなたのこと気に入ったのは本当よ。
この右手を切り落としてやりたいわ。こんなことしてる自分が信じられない」
「・・・じゃあ何故?」

彼の静かな声にベティが解らない、と再び首を横に振る。

「・・・このまま流されてしまうのは間違ってる気がするの」
「・・・・・」
「正直に言って。あなたも何かが違うって思ってる。そうでしょう?」

ベティの問いかけに、参ったな、と言う顔で彼が苦笑した。
やっぱりね。きっと彼もあたしと同じ気持ちなんだ。彼の表情にベティはそう確信した。

「・・・あたしね、馬鹿な恋人と別れたばかりなの。勿論、彼に未練は全くないの。ただ人恋しくて・・・つまり・・・」
「セックスしたかっただけ?」
「・・・ぶっちゃけて言うと・・・そういうこと」
「なら僕も同じだ」
「!」
「半年前に手痛い失恋をしたんだ。でも・・・なかなか彼女を忘れられなくて」
「!」
「初めて会った女性と寝ることはしない主義だ。でも君とならそうしてもいいって思えたけど・・・」
「・・・けど?」

ラッセルがベティの髪を梳きながら微笑みを向けた。

「ミシェルの時と同じだよ」
「!?」
「とても君が気に入ったよ。だからこんなふうに軽々しい関係になりたくない」
「・・・あたしも。 もし今夜、このままあなたと寝てしまったら、あなたとはそれきりになる気がする」
「・・・それって・・・また会いたい、って思ってくれたってこと?」
「もちろんよ!」
「・・・僕たち、いい友達になれるかな」
「Yeah ! ああ、もっと早く出会いたかった。この数年間、無駄にした気分」
「でも今夜、出会えたじゃない」
「ふふっ、そうね」

唇が重なった時、違う、彼じゃない、そう感じた。
彼は恋人にするなら最高の男なんだろうけれど、『 あたしにとっての最高の男 』 はきっと彼じゃない。
そして彼にとっても。

「ねえ」
「うん?」
「今度ミシェルを誘って一緒に飲もうよ」
「Yeah , 是非そうしよう」
「あたし、本当は毒舌家なの。驚かないでね」
「知ってる」
「What ? 」
「ミシェルが言ってた。 『 口は悪いけどいい子なんだ 』 って」

Ah ! と息を吐いてばつが悪そうに笑うベティにつられ、彼もくすくすと笑っていた。

「僕だって本当はもっと口が悪いんだよ?」
「ふふっ、あたしには勝てっこないわよ」
「じゃあ今度、試してみよう」
「Yeah , ミシェルを餌食にね」

男同士の挨拶みたいに固くハグして、彼らはその日の夜を終わらせた。
ドアを後ろ手に閉め、暫く考え込むようにした後、彼女はミシェルと暮らすこの家を見渡した。

――― 『 ほんとうに大切な人はすぐそばにいる 』 ―――

その時、突然ふっとレイのあの言葉が浮かんだ。
まさか!そんなはずはない。それだけは有り得ない。 彼女は浮かんだレイの言葉を消し去ろうと頭を振った。
彼はまだ帰って来ていなかった。気を利かせてラムカと遅くまで過ごしているのだろう。
すぐにでもラッセルとの素敵な夜を報告したいのに、という思いと、彼が今ここに居なくて良かった、という思いとが
彼女の中でせめぎ合っている。

・・・・あたし・・・・どうしよう・・・

瞬きすることも忘れ、部屋の入り口で彼女は呆然と立ち尽くした。





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何か色々すみません・・・(汗)

CIMG0800-2.jpg 
↑ 先日の里帰りの際、偶然ショッピング・モールでタツノコプロのイベントやってました。


21話ようやくUPしましたが、タイトルといい画像といい、遊びすぎ!?
いや、何となくね、「Sex and the city」の韻を踏んで遊んでみたかっただけなんです。
それと、どうしてもあのお尻を使いたかったので。(握り拳!)
内容もお下劣一歩手前な感じでほんとスミマセン。良い子も集うブログなのにいいのか?

そう言えば「Betty」は人名だから、本当は「The」をつけるのは間違いなのかな?
でも「 " あの " ベティ」みたいな強調の場合には「The Betty」と言ったりもするわけだからいいのか?ま、いいや。


ところで前回嘆きましたブッチちゃんの絵、やっと復活出来ました~!
ブロともを一旦削除させていただき、再度申請して、めでたく復活!となりました。
ブッチさん、お手間取らせてしまってほんとにゴメンナサイ。
FC2さん、お願いだからスルーはやめてよね。


しかし群像劇ってのは、各エピソードの組み合わせが難しいなあ、と今更ながら痛感しています。
一話全部をベティさんのエピソードに出来れば問題ないんだろうけどね。そうするとなかなか進んでいかない。
チャプター3の後半部分(の予定)は結構書き進んでいるんですが、そこまでなかなか行き着けなくて失速ぎみ。
パッと浮かんだ先のエピソードを忘れないようにメモ書きしているうちに、気付けばそこを本格的に肉付けし始めちゃって、いつの間にやら先の部分ばかりが充実しちゃう。
結果、そこへ繋げるのが大変…って毎回そうじゃん、自分。悪い癖ですよね。
そう言えばシャンプーしてる時に「あっ!」て閃いたりすることが多いんですよ。運転中とか。
皆さんはどうなんだろう?お聞きしてみたい気もします。



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Category: Notes

Magnet 21.「 Sex and the " Betty " - セックス・アンド・ザ・"ベティ" (ベティと性事情) - 」



* 冒頭部分がR18仕様に、その後も若干下ネタ系が続きます。
コミカルなシーンではありますが、苦手な方はご注意下さい。



Magnet 21.
「 Sex and the " Betty "  - セックス・アンド・ザ・ " ベティ "  (ベティと性事情) - 」

m-file-magnet21.jpg



チェルシー  8:15 a.m. 

月の美しい夜だった。柔らかな風が窓辺の白いカーテンを揺らし、彼女の身体の上をくすぐるように通り過ぎる。
彼女は裸のままで眠っていた。裸の理由・・・はどうでも良いことだが、とにかく、何故だか彼女は今、裸のままで気持ちよく眠っているところなのだ。
突然暗闇の中から男が現れ、ベッドの彼女に圧し掛かる。男は彼女をベッドに磔にしたかと思うと、甘く乱暴に彼女の唇を貪り始めた。
やがて唇から首すじへ、そして胸元へと男の唇が滑り落ちていく。

" あ・・・ "
思わず漏れる甘い声。彼女の全身を這う男の唇がやがて一番敏感な場所へ辿り着き、彼女は大きな声を上げて身体を仰け反らせた。
" いや、やめて・・・あっ! "
どうしてこんなことをするの? あなたは一体誰?
" 誰なの? やめ・・・・"
抵抗の言葉を吐きながら、その実彼女は身体を仰け反らせ、男の髪を激しくかき乱している。
" ―――っ! "
呆気なく達した彼女の脚の間から、男が満足げに顔を上げた。
" ・・・Oh , Baby , It's you ・・・(あんただったのね、ベイビー) "
その言葉に男はニヤリ、と笑うと、再び彼女に覆い被さって唇を奪った。
" 愛してる、ベティ "
" あたしも愛してる・・・ミシェル・・・ "



・・・・・ミ・・・?



飛び起きようとして足がもつれた彼女はベッドから転がり落ちた。何故ならスウェット・パンツが両の足首に引っ掛かっていたからだ。
God ! ――誰かに見られている訳でもないのに、彼女は恥ずかしさにかーっと耳を熱くしながらそれを上に引き上げた。
どうやら昨夜、自分を慰めている間に(彼女はそれを『ひとり遊び』と呼ぶ)、途中で力尽きて寝てしまったらしい。
それであんな夢を!? だけど何で相手がミシェルなのよっ!不毛すぎる!
たっぷりと睡眠を貪ったので、膀胱がぱんぱんだ。部屋を出た彼女はノックもせずにバスルームの扉を開け、その瞬間、石のように固まった。
目の前に有り得ない程の高い位置から始まる、真ん丸できゅっと引き締まった、カフェ・オ・レ色の美しい双丘を見つけたからだ。
・・・ごくり。

「うわっ!」
「・・・・」
「ちょっとベティ!ちゃんとノックしてよ!」
「・・・・は?」

咄嗟にバスタオルを巻いて下半身を隠したミシェルが非難するようにベティを振り返る。
今度は思いの外厚みのある、まるでギリシャ彫刻のように美しい胸板が彼女の目に飛び込んで来たので、彼女は反射的にモジモジし始めた。

「漏れちゃうー」
「はいはい、僕が出ていけばいいんでしょ」

ミシェルがバスタオルを巻いた姿のまま、バスルームを彼女に譲るために扉を開けた。
共同生活にうんざりする瞬間のひとつでもある。
用を足している間もベティはぼうーっとしていた。
何、あのお尻!男でもないのに、身体のどこかが天を向いておっ立ってしまいそうだ。
いや、きっとどこか勃起してる。間違いなく。 
God ! あたしったらどんだけ欲求不満なのよ! しかも何でミシェル相手に!?
ゲイの男相手に欲情するほど餓えてるのかと思うと、自分が情けなくてしょうがない。

「・・・くっそー・・・」


それからダイニング・ルームでコーヒーを飲みながらぼうっとしていると、無事にシャワーを浴び終えたミシェルが水を飲みにそこへ入って来た。今度こそちゃんと服を着ている。
夢の中の出来事と、その直後に見てしまった彼の裸とが混ざり合い、夢の中での彼の肌の感触を妙にリアルに思い出してしまって、居た堪れない気持ちになってしまった。
だから気まずくてミシェルの顔を見れないでいるのに、彼ときたら呑気な顔をして首から下げたタオルでごしごし、と髪の毛を拭いながらこんなことを言う。

「あ、そうだ。B、ラッセルからあさってならいいよ、って電話があったよ?」
「・・・んー」
「? 聞いてる?」
「・・・は? 明日でしょ?」
「あさってだってば。金曜の夜」
「金曜?解った」
「ネイキッド・ドレス*なんて着て行っちゃ駄目だからね、ベティ。 彼、知的な雰囲気の女性の方が好みだよ?」

ちぇ、見抜かれてたか。

「Oh , それは紹介する相手を間違えたね、ピノトー君」
「Non , non , 予想外のケミストリーを期待してるのさ」
「ね、ホントにあんた一緒に行かないつもり? 今どきブラインド・デート*なんてダサくない?」
「Non , そんなことないでしょ。 それに・・・」
「?」
「僕が一緒だと、うっかり本性が出て猛毒吐いちゃうでしょ? Honey B 」
「What ?」
「わはは・・・」

つられて笑いながらテーブルの上の雑誌をミシェルに投げ付ける。
その瞬間、さっきまでの気まずい思いが吹っ飛んで、少し気が軽くなった。


「そうだ、この間のキャスの取材、載るのは来月号だったよね?」

ミシェルが雑誌を拾いながら言う。

「うん」
「・・・ねえ、ベティ」
「んー?」
「もし・・・」
「?」
「もしも、さ・・・」
「Yeah ? 」
「・・・いや、何でもない」
「Wha ? 」
「ごめん。忘れて」
「? ・・・いいけど」

言いかけといてやっぱり何でもないだなんて、何だかもにょもにょっとするし納得いかなかったけれど、彼女はその思いをコーヒーと一緒にごくん、と飲み込んだ。
彼女だって彼に朝の夢のことはとても言えないわけだし、おあいこ、ってことにしておいた。






ミッドタウン・ノース  3:15 p.m. 

仕事の合間、ふっと顔を上げると、ミシェルの後ろ姿が彼女の目に何度も飛び込んで来る。
今まで何度となく目にしてきた彼の後ろ姿なのに、ついつい今日は彼のお尻にばかり目が行ってしまう。
ベティの視線を意識したわけじゃないだろうけれど、今日の彼はここのところお気に入りの、腰周りのぶかっとしたジョッパーズふうのパンツを穿いていた。だからお尻の形が目立つことはない。
けれど、不本意ながら、彼女の眼にはくっきりと中身が透けて見えてしまっている。同じく、シャツの中身も。
細身だと思っていた彼が、想像以上に筋肉質で男らしい身体つきだったのに驚いた。
随分着やせして見えてるってことよね?あんな細い腰つきであのお尻か。 
・・・あのお尻に・・・あのキースが・・・・・ああ、いかんいかん。仕事中だよ、ミス・クレンツ。
ついつい妙な妄想が湧き、彼女はぶるぶると首を振った。・・・やばい。
ちょうど暇な時間だったし、彼女は気分転換にコーヒーでも飲むことにした。

「エミ、カプチーノ頼むけど、どうする?」
「あ、飲みたい!」
「Ok」

彼女は受話器を取り上げ、外線の短縮ボタンの3番を押そうとして一瞬躊躇い、受話器を置いて直接カフェへと出向くことにした。
ここのところ、どういうわけかポールが余りこちらを向いてくれないので、彼女は電話で注文することが多くなり、時にはこうして直接カフェに出向き、自分でマグカップをサロンに持ち帰ることも多くなった。
本来配達なんてしてくれる店じゃないのに、ポールの好意でそうしてくれていただけなので、スタッフが減ってここのところ忙しそうにしている彼にそれを頼むのは流石に気が引けた。
それに、あの視線の件があったから、ほんの少しの気まずさもあった。何より、ポール自身が彼女を避けるようになってしまったのだ。
最初は単純に忙しさのせいだろうと思ったけれど、どうやらそうでもなさそうだ。
と言うのも、ジェニーとか言う女の子が、ポールとベティが話をするのを憮然とした顔で見ていたり、ポールに頼んだカプチーノを、彼に代わって配達して来ることが増えたからだ。

ベティは以前から何となく彼女・ジェニーが苦手だった。彼女は会えば「ハイ、ベティ!」と笑顔で挨拶してくれるけれど、笑顔の裏に何かを隠し持っているような、そんなふうに思えてならなかったから。
それが何かはさっぱり解らないし、彼女にも上手く説明は出来ないのだけれど。
ただハイスクールの時に苦手だった女の子と何となく顔立ちやタイプが似ているような気がしたから、勝手に苦手意識を抱いてしまっているのかもしれない。
そうだとしたらジェニーには申し訳ないことだけれど、でもやっぱり彼女のベティに対する態度はどこか首を捻りたくなるもので、ついついそんなふうに思ってしまうのだ。


「カプチーノ2つ、1つはエスプレッソを1ショット追加でお願い」
笑顔で接客するジェニーと、彼女の後ろでカプチーノを入れる彼・ポール。
「サンクス、ポール。何だか最近、忙しそうね」
出来たカプチーノを彼から受け取る時に、ベティはそう彼に声をかけた。
「Yeah・・・ごめんよ、ベティ。なかなか配達してあげられなくて」
「Oh , No no no ! いいのよ。忙しいのはいいことじゃない!あたしはどうせ暇だし・・・ははっ」
「・・・」
そこで彼女は、はた、と気が付いた。そうか。ポールがあの日、あんな顔であたしを見ていたのは、これからは今までのようにサービス出来なくなるから申し訳ない、ということだったのね?

・・・こんな具合で、どこまでもおめでたい発想の彼女だった。
ジェニーがジロリ、と睨むように彼女を見ていたことにも気付かずに、トレイにマグカップを2つ乗せると、ベティは颯爽とサロンへと戻って行った。









アッパー・イースト  マディソン街   4:40 p.m. 

先日までまだまだ春は遠いと思っていたら、突然の陽気に汗ばむ一日になった。
彼女は今、アッパーイーストのマディソン街から、自宅近くのオフィスへと帰る途中だ。
とあるセレクト・ショップが彼女のブランド「Louise(ルイーズ)」のアクセサリーを新たに扱ってくれることになったので、顔を出して来たところだ。
母の代のクラシカルなイメージは守りつつ、最近の流行りを意識したカジュアル・ラインを新たに打ち出してからというもの、ここ2年ほどで「Louise」は新興ブランドとして勢いを取り戻しつつあった。
ブランドの若返りの成功、と言えるだろう。
当然、昔ながらの保守的な顧客からは一部反発もあった。ここのところ主流になっているファスト・ファッション*に迎合するようで、ブランドの価値が下がった、とまで言う客も居た。
勿論彼女にそんなつもりはない。今後も彼女が良いと思うものを送り出していくだけだ。

オフィスまでの道のりを散歩がてら歩いていると、バッグの中の携帯電話が鳴った。
ディスプレイを見ると、5番街南にある彼女のブランドのショップからだ。
とある客がキャサリン宛に贈り物を届けて来たのだと言う。
ご自宅に届けさせますか?と言う言葉に一瞬躊躇したが、今日のスケジュールは余りタイトなものではなかったので、今からそちらへ取りに行く、と告げて電話を切り、彼女は通りでキャブを拾った。
店に贈り物を届けた、ということは、おそらく顧客の誰かなのだろう。
プライヴェイトな知り合いならば、直接自宅かオフィスに届ける筈だから。
ここのところ少し忙しくて店舗の様子もチェックしていないし、丁度いい機会だと思った。


彼女のブランド・「Louise」は、ロックフェラー・センターの広場の向いにある高級デパートメント、サックス・フィフス・アヴェニューの1階にテナントを構えている。
母の代の頃には五番街に路面店を構えていたが、地価高騰でやむなく今の場所に移転した。
それでも賃料は馬鹿高いが、路面店の経営に必要なコスト(例えばガラスの清掃費用であるとか警備会社への費用など)を考えれば仕方がない。
フィリップがその費用は出すから路面店で続けるようにと言ってくれたが、彼に頼りたくはなかった。
彼の事業の傘下に収まれば、確かにもっと良い状況を望めるだろう。
五番街どころか、パリのシャンゼリゼ通りに店を構えることだってきっと夢ではない。
けれど、自身のセカンド・ネームでもあるこの「Louise」は、例え規模は小さくともリヴィングストン家の誇りでもある。
彼女はそれを自分自身の手で守り、育てて行きたいと強く願っている。

店に到着すると、数人の客がリングやネックレスを試着したり店員と話をしていた。
そのため手の空いた人間が今は居ないようだったが、それは大変に喜ばしいことなので、彼女は経営者らしく、さっとディスプレイや店員の応対をチェックすることに没頭した。
イヤリングを見ていた一人の客が彼女に気付いたので、直接セールス・トークをして、結果、985ドルの売り上げに貢献することになった。
そして店員が彼女に渡した例の贈り物とは、花束と小さな紙袋だった。
中はオフィスに戻ってから見ることにして、彼女はディスプレイで気に掛かった点と褒めるべき点を伝え、店を守る彼女らに激励の言葉を贈り、そしてようやく店を後にした。


オフィスに戻ると、ティナがキャサリンの留守中にあった電話のリストをいつものように彼女に手渡した。
それを見ながら椅子に腰掛け、デスクの上に受け取って来た贈り物を置き、中を確かめるために紙袋を開けた。
テープで口を塞いだ紙袋の中には、さらに小さな布製の袋が入っている。
何の気なしにそれを摘み上げ、中身を取り出そうと口を開いた。
「!」
出てきたのは見覚えのあるカフ・リンク(カフス・ボタン)*。それもペアではなく、片方のみ。
彼女は息を飲んでそれを手のひらに乗せた。
これは確か彼女の母親のエリザベスが数年前、夫のバースデイに贈ったものではなかったか。
メッセージ・カードらしきものが添えられているはず、と彼女は花束と紙袋をごそごそ、と漁った。
カフ・リンクが入っていた布袋に小さな紙切れが入っているのを見つけた彼女は、恐る恐るそれを取り出した。

―――!?

" To P " ―― そこには、たったそれだけの文字が記されている。そしてべったりと添えられた、ピンク色のグロスの跡(キスマーク)。
次の瞬間、彼女は衝動的に花束をダスト・ボックスへと放り込んだ。



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ロケンロールな朝

何でか解らないけど、急にブロともの表示がおかしくなりました。
英漫さんのお宅のブッチちゃんが消えちゃったよー!。・゚・(*ノД`*)・゚・。 ゥェーン
タグ弄れるのに弄れないジレンマ…
くっそー、小説も行き詰ってるし、暴れてやるー! カモン、ロケンロール!!


…という訳でもないんだけどねw
毎年この時期、少し汗ばむ陽気になってくると、何故かLenny Kravitzが無性に聴きたくなる。
今朝グリズリーを職場まで車で送らねばならなかったので、「Are you gonna go my way」から始まるMy best(笑)を窓全開&大音量で聴く、という暴挙に出た。 (ヤンキーですか?あなた)
だって気持ちいいんだもーん、大音量&レニクラの組み合わせ。
いい歳して何やってんだか…なんですがね。しかも車マーチだし。



そう言えばアフロの男性って好き。 いや、女性でも。
ドレッドばっさり切った時は嘆いたもんだが、アフロのレニクラも見慣れるとかなり格好良かった!
彼の相棒のクレイグもずっとアフロだよね。白人だけど似合ってる。
彼のバックでドラム叩いてるシンディ姐さん然り。





シンディ姐さん、カッコ良すぎる!!! 



それから愛しのMaxwell。

-2.jpg maxwell.jpg -now.jpg


maxwell-singing.jpg  スーツが多い最近の彼は、まるでオバマさんみたいです(笑)またアフロにしてくんないかな。


Agent+Provocateur+Milk+Studios+Project+WHITE+nb-sDaBsMWDl.jpg  あ!レニクラ(…とリサ・ボネット)の娘、ゾーイちゃんとマクスさんの2ショットを発見!


Zoe+Kravitz+25th+Film+Independent+Spirit+Awards+z5xTMt6IXJVl.jpg  コチラは父と娘。
どう見ても親子には見えません(笑)若い恋人連れた不良オヤジにしか・・・
かっこいいとーちゃんだなあ。ウラヤマスィ・・・



882495.jpg  こんなアフロもあります(笑)  ←完全な拾い物デスw




ん?上の「Fly Away」ライブで着てるヒラヒラ、もしやこれでは?(Stevie大御大とアリシアと共演)




↑ そう言えば昔、「ケンシローみたい」とどなたかがコメントくださったのう~w


おお!殿下と共演してるのまでハケン!




うーん、かっこよすぎる! やっぱ殿下ちっちゃい・・・


じゃ、ウチのミシェルたんも大好きなコレで閉めます。






NORAさん、ちょっと!運転中にヘッド・バンギングとかやめなさい、もう・・・!




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ウチのラムカさんが!

・・・ああいや、Sshnちゃんが、ああいや、フリーダちゃんが何だかエライことなっとる!
いよいよブレイクの兆し!?






何とコッチも!








おおお!ラムカさん・・・ああいや、フリーダちゃん、頑張ってるなあー。
ウディ・アレンの映画の時も赤い服ばかり着てる女の子の役だったけど、上の「Immortals」でも赤い衣装ですね。
こちらはぐっとセクシーなイメージです。
ああ、これが例のめちゃめちゃ緊張したと言う初のせくす・シーンですか。綺麗だなー。
これら2作はどちらも大作だから間違いなく日本公開になるな、うん。


あとはジュリアン・シュナーベル監督作の「Miral」の日本版DVDが発売になってくれるのを祈ろう!
もちろん、ウディ爺さんのもね。


あとはしょんちゃん・・・ああいや、Vicちゃんのアレか・・・・
ロン毛のVicちゃんにはイマイチ食指が・・・orz・・・



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